
はじめに、
この話は一切脚色していないとハッキリと言っておきます。
これは他でもない僕の体験談であり、
そこまで大昔の話でもありません。
いやまぁまぁ前かも・・。
物語は数年前の某地方都市から始まる。
僕が出張で行っていた満月の夜の出来事。
ある人間が僕を誘い、
勝手知ったる夜の街へと
いつもと変わらぬ道で、飄々と繰り出す。
その人間はキャバ遊びが好きで
僕も当然嫌いではないので
そっち方面へとゆっくりと歩く。
実はここからすでに不思議な物語は
始まっていたように思えるのだが、
なぜかその日は、
いつもなら絶対に立ちいらない方面へと歩いた。
もちろん僕の主導で・・。
特にオカルトな事を言いたいわけではないが
『何かに導かれていた』という表現が適切に思える。
不思議な事はそれだけでは終わらない。
初めてのキャバに入り、
不思議なシステムの店なのだが、
写真を選ぶ事になり僕の目の前に9枚ほどの写真が並ぶ。
↑エロイとこではない。
確率9分の1。
なかなかの確率の中、
僕は少し迷いながら一枚選んだ。
ほどなくして僕たちは店内に案内され
少し待っているとオンナが横に座ってくる。
全てにおいてテキトーな感じが否めず、
言葉使いも生意気なオンナ。
『なんじゃこら』と思いながら
彼女とテキトーなトークを続ける。
案の定本当にテキトーで、
全ての所作やトークを
ビジネスライクに行うオンナで、
とても違和感を感じたので
ワンピースのルフィで言う「ギアセカンド」に入れて
自分のテンションを上げながら話してみる。
僕は昔から、
この短い時間に惹きつけるのが上手いと自負している。
プレーヤー時代に幾度となく営業にいって
研究・特訓した成果である(笑)
彼女はひどく虚言癖があるのか話がとにかくデカい。
僕がホスト系の経営者だと知ると、
昨夜、シャンパンタワーをやって
200万の札束を投げ散らかしてきたとか、
その前の日も50万使ってきたとか、
にわかに信じられない話を連発する。
そうかそうかと話を聞き流し、
僕も後で●●に出勤するから
少し来なよと店名を教えてみた。
もちろんダメ元だし、来るなんて思っていない。
そんなこんなで彼女の店を後にし、
ホテルで少し仮眠をとり、店へと向かう。
出勤すると、内勤の人間が
『おはようございます、さきほど"殿"いる??
って電話があり、特徴を聞いたら社長
だと思ったんで番号を聞いておきました。』
そう、僕は番号交換せずに別れてしまっていた。
しかし彼女は僕が言った店名から
電話番号を調べ電話をしてくれたようである。
僕が交換しなかったほどに彼女が胡散臭かったとも言えるが
オレの初歩的ミスもどうなんだか・・。
と自分の馬鹿さ加減に少しうんざりしながら
彼女に電話してみる。
ちなみに"殿"というのは、
別れ際に『ねー、もし店行ったら何て名前ー?』と聞かれ、
僕はギャグで『殿でいいよっ』なんて答えていた・・・。
電話をするとすぐにその彼女が
来店するというので半信半疑で待っていると、
ほんの10分ほどで来店したんだ。
ここまでの流れが調子良すぎる。
ってオレは思っていたが特に『違和感』はなかったんだ。
~この話続きます~
蒼樹 圭
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